大学入試改革ガイド‐センター試験廃止と新テスト‐

政府の推進する新しい大学受験の在り方

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馳文科相、新テスト先送りも示唆?

   

http://np-schools.com/news/446

久しぶりの更新ですが、昨年11月に上記記事が出ていました。
下村さんが国立競技場の問題で責任を取る形で辞任されて後任として、文科大臣には馳さんが就任されました。
馳さんは元プロレスラー・元教員・で国会議員という異色の経歴の持ち主です。
さてこの記事の中で気になるポイントは大きく分けて2つありました。

「大学や高校、保護者らの意見を踏まえ、できる限りの合意を得て進める。」
「場合によっては導入時期を先送りする」

【小路永の見解】
①「大学や高校、保護者らの意見を踏まえ、できる限りの合意を得て進める。」
「2020年から入試改革を必ず実施する」と強く宣言した下村さんとの温度差がかなりあるように感じます。
この温度差の背景には恐らく高校・大学からの強い反発があることが考えられます。

【現在】
1.センター試験廃止による入試制度の非効率化
現行のセンター試験では、センター試験のみで大学に合格することが出来ました。
例えば明治大学政治経済学部を志望する受験生はセンター試験受験前にセンター枠で出願を行います。
その生徒がセンター試験で英国社を受験し、その得点率が入試センターから大学側に送られて大学側は
生徒の合否を行うことが出来ます。
大学側からすると優秀な人材を一般入試前に確保出来、運営面では会場準備・運営・試験作成も不要で
あるというメリットがあります。
生徒側からするとセンター試験が実施される早い時期に滑り止めを確定させることが出来、受験料も
一般入試に比べて2万円ほど安く、1度の試験で複数大学・学部出願出来るメリットがあります。
【改革後】
センター試験廃止後は旧センター試験型で筆記試験を実施しますが、それだけで合否を出すことは出来ません。
生徒の得点により大学側が足切りを行い、2次試験として各大学側で小論文・面接・グループディスカッション
などを行い合否を出す必要があります。
つまり上記で記した現行のセンター試験のメリットは全てなくなり、運営コストは莫大なものとなり生徒の
受験への不可も大きく上がります。

②「場合によっては導入時期を先送りする」
先送りして解決出来る問題だとは思いません。
その問題とは『入試制度の改革と現在の教師の質の相性の悪さ』です。具体的には以下2点に集約されます。

1.入試は就職活動型へ
入試改革が行われれば大学が2次試験で実施する試験は就職活動型へと移行します。
例えば面接・グループディスカッション・ケーススタディなどです。これはまさに就職活動型試験なのです。
このような試験の導入は社会人として働く際にチームとして問題解決に取り組むために導入される背景があります。
しかしながら高校教師で就職活動をして、一般企業に勤めた方はどれくらいいるのでしょうか。
いるのでしょうが、圧倒的なマイノリティなことは確実です。
そのような高校教師が入試改革後に責任ある指導が出来るとは思えません。

2.教職過程には社会・企業での問題解決実習がない
教師となるための登竜門である教育実習は基本的に科目別指導を実施します。
教育実習の過程に社会での問題解決力の養成や企業での実習はもちろん入っていません。
そのような人材が社会での問題解決能力を養成できるのでしょうか?
もちろんそれがは出来ないでしょうし、それは教師の仕事ではないと感じている人も少なくないと思います。
これは感覚的にですが、教師を含めた公務員の方はどちらかというと、安定した職業に、変わらない仕事内容で
働きたいというニーズが高いと思います。もしやらされ仕事になるのであれば違うカタチで指導すべきです。
そうでないと何より生徒がかわいそうです。

まとめると現在の環境では『入試改革は不可能』なのです。
しかも時間が解決する問題だとは思えません。
個人的には入試改革自体が廃止される可能性も感じています。

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