大学入試改革ガイド‐センター試験廃止と新テスト‐

政府の推進する新しい大学受験の在り方

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なぜ2020年の大学入試改革が行われるの?

      2015/10/20

〈POINT〉
生産性の高いグローバル人材を育てるため
現在の入試制度がグローバル人材育成に適さないため

生産性の高いグローバル人材を育てるため
日本の少子高齢化による急速な人口減少に対応するためには1人当たりの生産性を上げ、国籍を問わない多様な人たちと働く必要があります。またインターネットの爆発的な普及もあり、世の中の流れは非常に速く予測外の事態が多々起きることが考えられます。そのような環境下で主体的に多様な人々とコミュニケーションを取りながら協力し、予想出来ない未来に対してチャレンジ出来る生産性の高いグローバル人材が求められています。

【小路永の視点】
グローバル人材というと「英語でコミュニケーションをとることが出来る人」と考えがちな人がいますが、実際はそうであはりません。英語はあくまでもコミュニケーションツールであり、目的は多様な人々と何かしらの課題を解決し、社会をより良い方向に導くことです。そのために主体的に新たな課題解決に人々を巻き込みながらチャレンジ出来る生産性が高い人材がグローバル人材であると個人的には考えています。大学時代の友人やキーエンス時代の同期の多くは、起業し社会問題の解決にチャレンジしたり、ベンチャー企業で大きな権限を持って組織を動かしたり、青年海外協力隊でボランティア活動を行ったり、商社マンとして途上国のインフラビジネスをゼロから立ち上げたりと活躍していますが、皆主体性を持ち高い志の下で働いているグローバル人材であると考えます。そのような人材は「どのように育ったのか」をインタビュー形式でブログにて更新していきます。

現在の入試制度がグローバル人材育成に適さないため
現在のセンター試験・一般(個別)入試は知識量のみを問うペーパー形式であるため、コミュニケーション能力や主体性の有無を判断することが一切出来ません。高校時代にグローバル課題に取り組むために留学した経験や地方創生等の地域社会の課題解決のために取り組んだ経験はセンター試験・一般(個別)入試では一切評価されないのです。現在の知識偏重ペーパーテストの形式では主体的に問題を発見する能力や問題解決のために人々と協力する力はつきません。言い換えれば日本に必要とされるグローバル人材は育たないのです。そこで今回の大学入試改革が行われる訳です。

【小路永の視点】
現在の大学入試では受験勉強を通してコミュニケーション能力や主体性を直接的に獲得することは出来ないため、グローバル人材を育成することはほぼ不可能かと思います。特に私が指導している私大文系に関しては知識を反復し、暗記出来れば確実に成績は上がります。そのプロセスの中で誰かとコミュニケーションを取る場面は当然ありませんし、主体性という面では暗記する工夫をする程度のものに留まります。では現在の大学入試で得ることが出来る能力は何かと言いますと「教科ごとの知識」と「自己管理能力」となります。まず「教科ごとの知識」とは例えば英語ですと、informationは不可算名詞(数えられない名詞)のためinformations(複数形)と書いてある選択肢は誤りとなるような知識です。その知識を暗記し、答えることが出来れば大学入試では点数になります。次に「自己管理能力」とは他の誘惑を断ち切り、合格するために勉強に打ち込む能力です。大学受験をする生徒の多くが20歳前後であり、勉強以外に多くの誘惑(遊び・LINE・Twitter等)が存在する中、自分を管理しながら合格のために一心不乱に勉強した経験と結果は人生の財産となります。大学生活でも社会人になっても自己管理能力は非常に大切です。ただしこの能力は大学受験勉強を本気で頑張った生徒のみが獲得出来る能力です。現在は大学全入時代と呼ばれており、行く大学を選ばなければ推薦・AO入試等で簡単に合格することが出来ますので「教科ごとの知識」も「自己管理能力」もない大学生が多数存在していることになります。またこの能力はスポーツや習い事等でも一生懸命打ち込めば得ることが出来ますので大学受験に限定した話ではありません。話を戻しますと上記の理由から現在の大学入試制度ではグローバル人材育成に不適切であると言えます。

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